長男が、四谷大塚全国統一小学生テスト 2年生を受けてきましたので
受験レポート及び、出題内容の傾向の分析をまとめます。

四谷大塚 全国統一小学生テスト

四谷大塚全国統一小学生テストは四谷大塚が主宰する公開テストです。
公開テストですので、四谷大塚の熟成でなくても申し込むことができます。
小学生が申し込める無料の公開テストとしては、最大規模のものだと思います。

今回で通算第22回目を迎え、全国から16万人もの人が申し込みをしているそうです。

テストの目的は、単に順位を決めることや、テストで点を取る・取れるようになることではなく、テストを通じて、苦手分野や得意分野を知ることで、目標を立てて学力を伸ばすこと。またテストを通じて次代のリーダ候補となる優秀な人材を育てることにあるようです。

また、特に小学生の低学年は中学受験を意識した子供たちが母集団となるため、集団自体のレベルが高いため、文部科学省が行っているテスト等に比べると、偏差値は低く出るとのこと。
たとえばこのテストの結果の偏差値が50だったとしても、絶対的なレベルは高いとのことでした。

今回とらのすけの長男が受けた小学2年生のテストは、算数30分 150点、国語30分 150点の2科目のテストで、理科と社会はありません。

テスト後には、インターネットで解説授業が配信(6月11日~17日)されるので、自宅でも復習ができます。また、受験会場となる校舎によっては、復習授業や、無料の通常授業の体験等も受けられる場合もあります。この辺りは、各校舎での対応によるので、お近くの教室でお尋ねください。

受験後採点をすると、点数の結果だけではなく、各問題の受験者全体での正解率や、分野毎の得意不得意を分析した結果が返されるので、今後の勉強の計画を立てるのにも役に立ちます。

また、今回は、さらに詳しく結果分析を行った資料を作成・配布してもらえるとのことです。

テスト当日の流れ

とらのすけの場合、テスト開始は11:00~でしたので、時間までに試験会場の四谷大塚まで、長男を連れていきます。
試験会場では、先生に引き渡した後は、親は特に何もすることもなく、希望者は父兄向けの説明会を聞くことができます。とらのすけは、特にやることもなかったので説明会を聞いて過ごしました。

父兄会の内容は、以下のような内容でした。
  • 全国統一小学生テストの理念・目的
  • 2020年の入試改革での変化と中学受験のトレンド
  • 高学年で、学力が伸びるための家庭での過ごし方
やはりトレンドは、社会情勢の変化やAI等の技術の台頭により、既存の知識を高速に処理をすることができる人材から、自ら課題・問題を見つけ出し、知識をベースに仮説を立てて対応をしていく力のある人材にシフトしていること、2020年での大学入試改革もその方向性で変革が行われるということでした。

なるほどな~と思ったのは、この入試改革ですが、考え方や方向性自体には同意できるが、具体的に試験がどのように変わるのか?という点が不明瞭だったり決まっていないことが多いため、制度変更に振り回されたくないと考える親御さんが多くいるそうです。そういった方々は、付属系の中学を目指すそうです。このため、昨今は、付属中学の人気が高まっているのだとか。

2018年6月度テスト 2年生の出題傾向と分析

さて、今回のテストの内容を分析してみたいと思います。

算数

算数は30分で、150点の配分です。問題数は大問7問の構成で、概略の内容は以下のような感じです。
  • 問1:計算問題
  • 問2:文章題(易)
  • 問3:文章題
  • 問4:論理・思考力系
  • 問5:長さに関する問題
  • 問6:文章題
  • 問7:空間把握系
けっこうな量があり、30分でこれを全て解ける小学2年生がいるのか?と思えるぐらいの量です。
掛け算が出るのかと思っていましたが、掛け算の問題はなく、繰り上がり、繰り下がりのある2桁の計算もそれほど数は出ていません。

テストの趣旨にもあるように、思考力・論理力・理解力を問う問題が多くでています。
正直学校の授業だけでは、これらの問題に対応することは不可能と言っていいと思います。
それでは各問題を見ていきましょう。

  • 問1:計算問題
小問が10題の計算問題。2桁の繰り上がり、繰り下がりの問題は無い。
後半5問は、式の途中が□で空欄になっており、穴埋めをする問題。
難易度は高くないので、すべて正解をしておきたいところ。

  • 問2:文章題(易)
小問が4問。それぞれ平易な(教科書)レベルの文章題。時計の計算も出ているが、時間をまたがない(長い針が12を超えない)範囲の計算問題なので、学校の授業が理解できていれば解ける範囲。
この問題も全問正解を目指したい。

  • 問3:文章題
小問が3問。だんだんと難易度が上がってくる。
1問目は引き算に関する文章題。バスに乗っている人数と、バス停で乗ってきた人数、最後に何人になったかの情報から、バス停で何人おりたか?を求める問題。

2問目は積まれた積み木の数を数える問題。

3問目は3つの等式から、3つの未知数を求め、さらに求めた未知数を使った計算結果を出す問題。

  • 問4:論理・思考力系
小問が2問。ポケットをたたくと、あるルールに従って、クッキーが増えていくので、ルールを導き出して、ルールに従った場合にどうなるかを求める問題。
1問目はルールに従って、ポケットを4回たたくと最後に何枚になるかをを求める問題。
2問目は、ポケットを5回たたいて、最後に到達したクッキーの枚数から、最初に何枚入っていたかを求める問題。

間違えずに計算をする力というよりも、与えられた問題の条件を絵をかけば解ける問題だが、小学2年生にはやや難しいかもしれない。

  • 問5:長さに関する問題
小問が2問。いくつかの、折れ線同士の長さを比較して長い順に並べる問題
問1は、方眼紙のマス目に沿った線の長さの比較なので比較的平易。
問2は、方眼紙のマス目に沿わない斜めの線が出てくるために、ちょっとわかりにくいが、落ち着けば解けそうな問題。

  • 問6:文章題
買い物をする問題。おつりなしに支払いをするという条件でどの商品が買えるか?を考えるところが少し難しい。また、支払い終わった後の金額を2人で等分に分けられるか?という条件からどの商品を買ったのか?の問題も少々難易度が高い。

  • 問7:空間把握系
小問が2問。模様が描いてあるさいころがあり、
問1は、別の角度から見ると、さいころがどう見えるか?の問題。
問2は、さいころを転がした結果、模様がどう見えるか?の問題。

普段から、立体図形に関する演習をしていれば対応ができそうな問題。

国語

国語は30分で、150点の配分です。問題数は大問6問の構成で、概略の内容は以下のような感じです。
  • 問1:擬音擬態語の穴埋め
  • 問2:カタカナで表すことばの選択
  • 問3:漢字をつかったしりとり
  • 問4:穴埋めでの文章の作成
  • 問5:長文読解
  • 問6:文章題(クロスワードを用いた問題)
長文がとても長いので、こちらも30分で解ける小学生がいるのか?と思わせる量の問題です。

トリッキーな問題はないですが、長文読解がとにかく長いことや題材になっている小学生の女の子とそのお父さんのやり取りから、登場人物の感情を理解する必要があるため、この年代の男の子にはちょっと難しい内容かなと思います。

それではそれぞれの問題を見てみましょう。

  • 問1:擬音擬態語の穴埋め
小問が3問。文章に合う擬音、擬態語を選択するもの。普段からの語彙力が問われる内容。
それほど難易度は高くないので、全問正解したいところ。
  • 問2:カタカナで表すことばの選択
小問が4問。条件に合う、カタカナで表す言葉を選択するもの。
こちらも、それほど難易度は高くないので、全問正解したいところ。

  • 問3:漢字をつかったしりとり
小問3問。漢字を使ったしりとり。1年生、2年生で習った感じを覚えてればそれほど難しくはない。
こちらも、全問正解したいところ。
  • 問4:穴埋めでの文章の作成
小問2問。選択肢の言葉を正しい順番で並べて、短文を完成させるもの。
こちらも、全問正解したいところ。

  • 問5:長文読解
小問7問。題材になっている文章がとにかく長いので、普段から長文の読解を行っていないと読むだけで疲れて、問題を解くどころではなくなりそう。
文章の中から、同じ意味を表す単語を抜き出す問題や、登場人物の感情を読み取り、まったく別の文章で、同じような気持ちをになったものはどれか?を選択する問題等、難易度の高い問題。

  • 問6:文章題(クロスワードを用いた問題)
小問2問。クロスワードパズルを埋める問題と、クロスワードパズルのヒントを考える問題。
問5に比べれば難易度は高くないので、問題に取り組みさえすれば、回答できた人は多いはずだが、大問5で時間切れとなり、未着手の受験生が多くいたのではないかと思われます。

まとめ

  • 無料で受験できること、良問揃いのテストなので、定期的に受験をしてみることをお勧め。
  • 結果に一喜一憂するのではなく、苦手な分野や今後の学習の指針を立てるのに活用。
  • 学校の学習進度と必ずしも一致していないことや、内容も少し高度なので、事前にテスト対策をしておいたほうが良い。

それではまた。

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